BijaVault

開発の背景

作ったきっかけ

一日中メモを取っています。会話の途中で書きとめる一行、散歩中に浮かんだアイデア、料理をしながら書く次の買い物メモ。

お気に入りも散らばっていました。YouTube、TikTok、Instagram、Facebook には、それぞれのアプリの中に保存した一覧があります。もう一度聞きたい音声は Audible、SoundCloud、Mixcloud にあり、残りはブラウザのタブに残っています。そして、必要なときに見つからないことがよくありました。全文検索だけでは見つからなかったのです。

欲しかったのは、全部が 1 か所にまとまり、簡単に保存できて、あとですぐに見つかる場所でした。日々のメモをアイデアの種に見立てて、BijaVault という名前にしました。自分の不便を解消するために作ったアプリなので、同じ不便を感じている人に使ってほしいと思っています。

入れていない機能

BijaVault が力を入れているのは、素早くメモを取れることと、探しているメモが見つかることの 2 つです。この 2 つを守るために、あえて入れていない機能があります。

ひとつは、ファイルと書類の取り込みです。PDF やさまざまなファイルまで扱えるようにすると、保存するたびに、何をどの形で入れるか選ぶことになります。そうした選択や操作をメモアプリに持ち込まないため、扱うのは Markdown のメモと画像だけにしました。今後もファイルには対応しません。メモが大量に増えても、シンプルで軽いままであることを優先しています。

純正メモからまとめて取り込む機能も、一度は作りましたが、やめました。11 件を超えて取り込むには iPhone の設定を変えてもらう必要があり、使う前に準備の手順を求めるのは、このアプリの考え方に合わなかったからです。今は、残したいメモを共有ボタンで 1 件ずつ送る形だけにしています。

AI に本文を書き換えさせることもしません。AI はメモの先頭に種別、題名、タグを書き足すだけで、書いた本文には触れません。

見つけ方について

作ってみて分かったのは、全文検索だけでは足りないということでした。必要なときに、書いた言葉を正確には覚えていないことが多いからです。AI が書き足す種別やタグと、共有したページの要約が、メモにたどり着く道を増やします。

キーワードで検索すると、似たメモが一度に全部出てきます。種別とタグで先に絞ってから本文を検索すると、目当ての 1 件にたどり着けます。

その場で保存できなければ、結局は保存しなくなります。今開いているアプリから数秒で保存できるように、共有ボタンでリンクや文章を、自分の一行と一緒に送れるようにしました。

技術の選び方

メモは、プレーンな Markdown ファイルとして端末の中に保存します。独自の形式に閉じ込めないため、アプリを使わなくなっても、メモは Files アプリから読めます。

検索の索引も端末の中に置いています。SQLite に全文検索の索引(FTS5)を作るので、通信を待たずに見つかります。語の間に空白がない日本語でも、2 文字の語まで当たるようにしました。

編集画面には Milkdown を使い、見たとおりに書けることと、Markdown のファイルであることを両立させています。

AI による整理は、サインインして同意した後にだけ動きます。本文は整理のためにサーバーを通りますが、サーバーには保存せず、AI の学習にも使いません。サインインしなければ、AI の処理のためにメモの本文が送られることはありません。

これから

使ってくださる方の意見を読み、シンプルな Markdown メモアプリであることは保ったまま、希望をできるだけ形にする方法を考えていきます。